新連載『メタル第7世代~ザ・ワールド・イズ・マイン』 01“イマドキの子-ヘヴィ・ミュージックに若さを溶かして”

メタル第7世代~ザ・ワールド・イズ・マイン
今年『BURRN!』編集部に配属されたばかりの新人編集者による新世代コラム。
初めまして。今年度からBURRN!編集部に入りました清家と申します。
新卒、22歳。ほんの数カ月前までは大学生をやっていました。
このコラムでは、20代から見た今のメタルシーンについて書いてみようと考えています。
今現在の国内における熱心なメタル・ファン――ライヴに足を運ぶ人達――というのは、グラデーションのように各世代にまんべんなく分布しているのではなく、80年代・90年代にリアルタイムでメタルの各サブジャンルの誕生を体感してきて未だ熱冷めやらぬ層と、完全なる後追い世代とのコントラストが目立つように感じます。
今の若者達が形作るややアンダーグラウンドに潜りがちな現行シーンについて僅かながらでも伝えていけたらと思います。

ちなみに、「メタル第7世代」というのはBLACK SABBATHを代表とする黎明期を第1世代として、NWOBHM期、グラム・メタル期、スラッシュ・メタル期、デス/ブラック・メタル期、ニュー・メタル期…とゼロ年代までのメタルをおおまかに分けて数えた時に2010年代の今は7世代目くらいかな?と考え勝手に題しました。実際は7程度では収まり切らないのは承知の上です。


手始めに、今の若者はどのようにしてメタルと出会うのかについて、よくあるパターンを紹介していきます。よく「若いのにメタルが好きなの!?」と驚かれますが、これを読めばいかにしてその珍しい若者が出来上がるのかがわかるはず。

まず正統派、オールド・スクール・メタルを聴く若者に多いのが親の影響を受けたというケースです。父母問わず、主にLED ZEPPELIN~DEEP PURPLE~BON JOVIなどの当時ポピュラーだったハード・ロックを親御さんが好んで聴いており、幼少期から家庭内で耳にしているうちに嗜好がそちらに寄っていってしまった模様。このような入り方をした人はメタラー歴が長い一方でエクストリーム系にまで深入りするタイプが少ないように見受けられます。街で見かけるDEF LEPPARDやWHITESNAKEのTシャツを着ている若者の数パーセントは、ファッションではなくこうしたバックグラウンドを持つファンの可能性があります。

次によく耳にするのが国内のラウドロックから洋楽へと手を伸ばしたという例。中高でONE OK ROCKやマキシマム ザ ホルモン、SiM、COLDRAINといったフェス常連のラウドロック勢で盛り上がり、やがてそれらのバンドと共通点のあるメタルコアやデスコアなどに移行してゆくといった流れです。かなりキャッチーなバンドを入り口として、より暴力的なブルータル・デス・メタルやグラインドといったジャンルまで辿り着く人も少なくありません。逆にアグレッシブさに欠けるオールド・スクールには食指が動かず…というのもこうしたケースの典型です。今は激渋デス・メタルの愛聴者でも、ルーツとなった邦楽の話になるとついつい盛り上がってしまう…という場面もよく見る光景だったりします。
国内邦楽勢の代わりにMARILYN MANSONやSLIPKNOTの毒々しい出で立ちと攻撃的な楽曲に衝撃を受け洋楽にハマったという人も相当数見てきました。

ラウドロックに比べると少数派ですが、アニメソングやゲームのサウンドトラックからメタルに興味を持ったという若者も確かに存在しています。アニメソングにはパワフルなヴォーカルがいわゆるクサいメロディを歌い上げるものも多く、ゲームソングはエピックな風合いを持ったものが多いので、知らず知らずのうちにメロディック・パワー・メタルやメロディック・スピード・メタルに反応する耳が出来上がっていた、なんてことも。

また、ゴシック・メタルやブラック・メタルのリスナーには一定数、思春期にヴィジュアル系を聴いて育ったという人がいます。特にDIR EN GREYはマキシマム ザ ホルモンと並ぶくらいの頻度で学生がルーツとして挙げることが多いバンドです。

以上が若輩メタラーがメタルと出会うきっかけの主な例です。

デスボイスを用いるジャンルをみてみると、デス・メタル以降の派生ジャンルはブルータル・デス・メタルなどの重く激しいアンダーグラウンドな方向と、ラウドロックやメタルコアなどのより拓けた雰囲気で大衆に訴える方向に分岐しています。大衆にアピールするキャッチーなものが生まれているのは一種の反動なのかもしれません。ラウドロックやメタルコアが生まれないままデス・メタルがひたすら暗い光の差す方へ葉を繁らせ続けるのみであったなら、現在の若者のメタル人口は更に少なかったのでは? と思わずにいられません。個人的には若くして厳格なアティテュードをもってヘヴィ・ミュージックを演るバンドは応援せずにはいられませんが。

それでは今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。

平成生まれメタラーのルーツ探訪

Slipknot - Psychosocial

以下、平成生まれのルーツになったであろう楽曲たちです。

マキシマム ザ ホルモン 『maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~』 Music Video

DIR EN GREY - 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇

Korn - Blind

SiM - KiLLiNG ME (OFFICIAL VIDEO)

DESTINY - GALNERYUS

Crystal Lake -Ups&Downs- 【Official Video】

Marilyn Manson - The Beautiful People