Veppyとメタルな小部屋「RAVEN 2019年来日公演 回想

Veppyとメタルな小部屋
RAVENの通算4回目となった来日公演の二日間の模様について

アスレチック・ロックの体現者であるRAVENがニュー・ドラマーを迎えての再来日公演を行った。初日3月14日は初期3枚を中心としたセットリスト、3月15日はオールタイム・ベストでのセットリストとアナウンスされていた。
平日2日間ではあったが、会場には多くのRAVENルナティックスが来場していた。

2019年3月14日吉祥寺SEATA   初期3作ベストセット・ライブ

ジョン・ギャラガー<b,vo>

ジョン・ギャラガー<b,vo>


初日の1曲目は“Take Control”でメンバーはジョン<b,vo>とマーク<g>のギャラガー兄弟は弾き出される様にステージに飛び出してくる。
“Hell Patrol”、“All For One”、“Hang,Drawn And Quartered”と続き、フロアはRAVENの熱量高いパフォーマンスに飲み込まれていく。

初期3枚からとアナウンスされていたが、ここで新曲の“Top Of The Mountain”がプレイされた。アナウンスと違うからとブーイングは飛ぶことなく、速く喧しいRAVEN節が詰まったこの曲にファンは歓声と共に受け入れる。
“Rock Until You Drop”からギター・ソロと流れ、“Faster Than The Speed Of Light”でかっ飛んでいくと、SWEETの“Hellrazer~Action”のメドレー・カヴァー。
1stアルバムにこのメドレーは収録されているが、カヴァーでもあるこのメドレーがセレクトされると思わなかったので驚きだった。
“Firepower”と“Wiped Out”ではゲスト・ギタリストとしてマーティ・フリードマンが登場、楽しそうにRAVENのメンバーとプレイしながら、ファンからも得声援を浴びていた。
マーティ・フリードマン&lt;g&gt;&マーク・ギャラガー&lt;g&gt;

マーティ・フリードマン<g>&マーク・ギャラガー<g>


ここでジョンが「ヘヴィ・メタルは髪の毛や、服装ではない。ヘヴィ・メタルは生き方だ!」と言ったコメントを述べてから“Mind Over Metal”へと繋げていく。
そしてそれまでのベースから赤色のお馴染みのエクスプローラーに持ち替えてのベース・ソロを披露した。

その後マークとマイク・ヘラー<ds>がステージに登場して、AC/DC、JUDAS PRIESTなどのクラシックのフレーズを織り込みながらズクズクしたミドル・ナンバーの“Break The Chain”をプレイされる。
そして1stシングルの“Don’t Need Your Money”がプレイされるとファンからは待ってましたといった感じのリアクションが声援となって返っていく。
ジョン・ギャラガ―&lt;b,vo&gt;

ジョン・ギャラガ―<b,vo>


アンコールは名曲”Crash Bang Wallop”で大盛り上がり。その熱は冷めることなく、ファンは再びRAVENのメンバーを呼び戻し、予定外のアンコールとして”Seek And Destroy”をプレイして、初日のライブは終了となった。
マーク・ギャラガ―&lt;g&gt;

マーク・ギャラガ―<g>


3月14日@吉祥寺SEATA
SETLIST

1.Take Control
2.Hell Patrol
3.All For One
4.Hung,Drawn And Quartered
5.Top Of The Mountain
6.Rock Until You Drop
7.Guitar Solo
8.Faster Than The Speed Of Light
9.Hellraiser~Action(SWEET cover)
10.Fire Power(with マーティ・フリードマン)
11.Wiped Out(with マーティ・フリードマン)
12.Mind Over Metal
13.Bass Solo
14.Break The Chain(inc Medley)
15.Don't Need Your Money

Encore 1
15.Crash Bang Wallop

Encore 2
16.Seek & Destory

3月15日 新宿BLAZE オールタイム・ベストセット・ライブ

RAVEN

RAVEN

HELL FREEZES OVER

RYOTO&lt;g&gt;

RYOTO<g>


オンタイムにSEが鳴り、HELL FREEZES OVERのメンバーがステージに姿を現す。
当初はSURVIVEがオープニング・アクトとしての出演が予定されていたが、メンバー急病によりキャンセルとなり、急遽彼らに白羽の矢が立った。
突然で戸惑いもあったかもしれないが、それを感じさせない堂々としたパフォーマンスを見せた。
HELL FREEZES OVER

HELL FREEZES OVER


TOM REAPERの激しいドラムから“Burn Your Life”が始まると、GAINER<vo>はモニターに足をかけファンを煽りながらシャウトし、RYOTO<g>は来いよと手を振り上げながら長い髪を舞い上げ、ギターを操る。
TAKUYA<b>は力こぶしを握り、HIROTOMO<g>は首を振りながらリフを刻む。
ステージで若さを爆発させ、勢い溢れるパフォーマンスを繰り広げる彼らは、どこか若き日のMETALLICAを思わせる。

GAINER&lt;vo&gt;

GAINER<vo>


サンキューと声援を送るファンに言うと、ファンとバンドの絆を確かめるように“Hellrazore”が炸裂、RYOTOとHIROTOMOは背中合わせでソロを刻む。
新作が楽しみになる新曲“Phantom Helicopter Attack”がプレイされ、ラストは必殺の“Overwhelm”が放たれる。GAINERは「中指を立てたいヤツは立てな!」と言い放つが、誰も彼らに中指を突き立てることない。
その代わりに忠誠を誓う様なメロイック・サインを突き付ける。
「キック・ユア・アス!」のコーラスと共にフロントの4人は足を思いっきり蹴り上げ、RAVEN目当てのファンにもHELL FREEZES OVERの名前をしっかり刻み込んだ熱演だったのではないだろうか。
HELL FREEZES OVER

HELL FREEZES OVER


先にも述べたが若き日のMETALLICAがダブり、あの伝説的と言われている『KILL 'EM ALL FOR ONE TOUR』はこんな雰囲気で行われたのではないかと思いもしたこの日のパフォーマンスだった。
HELL FREEZES OVER

HELL FREEZES OVER

RAVEN

RAVEN

RAVEN


場内暗転し大きなRAVENコールが会場を包む中、幕がゆっくり開くとジョンとマークがステージに飛び出してくる様に登場した。
マークは左手を突き上げ、ジョンはシャウトをキメて“Destroy All Monsters”がプレイされると、とにかくその音のデカさに驚く。
破天荒なライブ・バンドとしてその名を轟かせたRAVENの姿がそこにはあった。

最初からアクセル全開、“Hell Patrol”でマークは二丁拳銃を連射するポーズをキメ、マイクは首を左右に振りながらドラムを叩き、ジョンはロング・シャウトでファンを驚かせる。
とにかくショウの序盤からステージ狭しと走り、ファンの目を奪うアクションでメンバーから目が離せない。
“Hell Patrol”のラストで、ジョンとマークはお互いの楽器を高く掲げこすり合わせる。まだ2曲しか終わっていないのに、この熱量の高さは異常でファンもそれに圧倒され興奮していく。それはRAVENへと向かっていく大きな歓声へと変換されていった。
ジョン・ギャラガー&lt;b,vo&gt;

ジョン・ギャラガー<b,vo>


ジョンは「俺たちは皆一緒だ!」と叫び、マークのドラムを合図に“All For One”が始まる。
マークはフロアを指さし、トリッキーなリフを刻み、さり気なくイギリス国歌を織り込む。
そんなマークがギター・ソロを披露するとファンの手がいくつも彼に向かって伸びていく。
曲が終わり大RAVENコールの中、ジョンは左手で心臓の辺りを誇らしげに叩く。
会場が正にALL FOR ONEとなった瞬間でもあった。

ロッキンなノリもあった“Hard Ride”ではジョンがダック・ウォークを見せる横で、マークが手を上げろとファンを煽り、両手を高く上げたファンが拍手をして会場は一体となり盛り上がっていく。マークはそんな会場を観ながら着ていた革ベストをビッと引っ張ると、フロアの歓声を全て聴くように両手を耳に当てる。
マーク・ギャラガー&lt;g&gt;

マーク・ギャラガー<g>


“Hang,Drawn And Quartered”では元祖スラッシュ・メタルと呼ばれた彼らのパフォーマンス垣間見ることが出来て、マイクのツーバス連打に驚く。
「速く、激しく、喧しく」のRAVENは健在を思わせ、それにはマイクのドラミングがかなりのカギを握っていると感じさせた。
そのドラミングに負けないどころか共に上り詰めていくジョンとマークも凄まじい。
彼らの年齢を考えると驚異的である。

激しさの中にキャッチーなサビが印象的な新曲“Top Of The Mountain”は新作が楽しみになる感じだった。
低音が腹に響いた“Tank Treads(The Blood Runs Red)”からジョンがマークをビっと指さし、ギター・ソロに突入する。頬を膨らませ、歯を食いしばりと表情でも魅せるマークのギター・ソロは哀愁のメロディも絡めながら手を振り上げてと身体全体を使ってのソロとも言える。
ソロが終わると間髪入れずにマークはリフを刻み、ジョンは手を振り上げファンの声援を集めるように煽って次の曲に中々入らないで少し焦らす。
そこから一気に爆発した様に“Faster Than The Speed Of Light”が始まる。やはり速い曲になるとマイクのドラミングがギラりと光る。

“Seek And Destroy”の縦ノリのリズムがファンを揺らし、本編ラストはミュージック・ビデオにもなった“On And On”がプレイされた。
ポップでキャッチーながらもしっかりとRAVEN節を感じさせる曲で、前日のセットには組み込まれていなかった曲だ。
両日来たファンにとっては嬉しい選曲だったに違いない。
それを証明する様に、ファンはコーラスでは拳を振り上げ歌っていた。
マークが両手を大きく広げ拍手を要求すると、多くのファンが当然とばかりに拍手で返したシーンも印象的だった。

最後にジョンとマークはドラムライザーに駆けあがり楽器を掻きむしる様に鳴らし、大きなRAVENコールの中で本編は終了となった。
マイク・ヘラー&lt;ds&gt;

マイク・ヘラー<ds>


アンコールはマークの煽りから、ジョンのベース・ソロが始まる。
それまで使っていた白いフライングVベースから80年代からの愛機である赤のアーム付きのエクスプローラーを手に登場したジョンは、ベース・プレイヤーとしても多彩なプレイと高度なテクニックでファンを魅了する。

ベース・ソロが終わるとマークはタオルを振り回しながらステージに駆け込み、マークはそれとは対照的にゆっくりとドラムセットに座りゴクリと一口ドリンクを飲む。
“Break The Chain”ではBLACK SABBATHの“War Pigs”他メドレー形式でロック/ハードロック・クラシックが組み込まれていた。
後に耳にした話だとその場のノリでメドレーに組み込まれていく様で、RAVENの懐の深さとミュージシャンの誇りを感じさせた。

そのまま“Stay Hard”がプレイされると、マークはステージを右に左にと走りクルクルと巨体が回る。
ジョンはファンのコーラスを煽り、ステージ横の柱にベースのネックを擦りつける。
フィードバック・ノイズの中で記念撮影が行われ、メンバーは名残惜しそうに手を伸ばしてくるファンとタッチして交流していた。
RAVEN

RAVEN


これで終わりかと思ったが、いつまでも鳴りやまないRAVENコールに根負けとばかりRAVENのメンバーが再びステージに登場。
しかしその表情は本当に嬉しそうで、この曲で最後を決めるしかないとアスレチック・ロックを体現した名曲”Crash Bang Wallop”で会場を再び沸騰させた。
いつまでもこの時間を続けていたいといった感じでエンディングを引っ張り、ステージを転がりながら楽器を操るジョンとマーク。
マークはギターを高く掲げガッツポーズ、ジョンは頭の後ろにベースの弦を掻きむしり、マイクはやり切ったといった表情で最後の一音を叩いてRAVENの狂乱のパフォーマンスは終了となった。
RAVEN

RAVEN


初日も凄いと思ったが、それを上回る感じのあった二日目のパフォーマンスだった。
ライブ・バンドとしての凄みを見せつけたライブだったことは、いつまでも会場を去らずにRAVENコールと彼らへの感謝を言葉をステージに向かって放っていたファンが証明していたと思う。
今回見逃したファンも是非次回来日した時にはRAVENの凄みを体感して、RAVEN LUNATICとなって欲しい。
RAVEN

RAVEN


3月15日@新宿BLAZE
SETLIST

1.Destroy All Monsters
2.Hell Patrol
3.All For One
4.Hard Ride
5.Hung,Drawn And Quartered
6.Top Of The Mountain 
7.Tank Treads(The Blood Runs Red)
8.G Solo
9.Faster Than The Speed Of Light
10.Seek & Destory
11.On And On

Encore 1
12.B Solo
13.Break The Chain
14.Stay Hard

Encore 2
15.Crash,Bang,Wallop

TEXT by 別府“VEPPY”伸朗