【来日記念企画】USメタル界の生ける伝説 METAL CHURCHをイチから聴き倒す祭り開催

みんなのレビュー
今年8月24日、25日とクラブチッタで1991年、1994年に続き25年振り 3度目となる来日公演が決定しているMETAL CHURCH。ここであらためて彼らの軌跡を振り返っておきたい。ということで、祝来日全アルバム・レビュー開催! 文/別府 “VEPPY” 伸朗(Nobuaki Beppu)、倉田真琴(Makoto Kurata)

METAL CHURCHデビュー前夜

1980年にアメリカ・サンフランシスコにてカート・ヴァンダーフーフ<g>を中心に結成されたMETAL CHURCHであるが、結成初期には後にMETALLICAで活躍するラーズ・ウルリッヒもオーディションを受けたという。1984年にアルバム・デビューを果たすMETAL CHURCHだが、それまでにデモ・テープを数本発表とオムニバス・アルバム2枚に参加している。オムニバス・アルバムのリリース年は1stアルバムと同じであるが、状況的にはオムニバス・アルバムの方が先と思われる。

まず紹介するのはワシントン州シアトル近辺のシーンで活動していたハード・ロックやヘヴィ・メタル・バンドを集めた「NORTHWEST METALFEST」と名付けられたオムニバス・アルバムで、『GROUND ZERO RECORDS』というシアトルのインディ・レーベルの第一弾としてリリースされている。サンフランシスコから活動拠点をワシントン州アバディーンに移したMETAL CHURCHもこのオムニバスに参加している。参加曲は“Deathwish”でアルバムには未収となっている。デモ・テープ時代には何度か収録されていた楽曲で、恐らく1982年に発表された「FOUR HYMNS」デモ・テープのテイクと一緒と思われる。泣きのツイン・ギターを活かした正統派色強い曲で、デイビット・ウェインの声も後に比べると少し細い感じも受ける。ちなみにこのオムニバス・アルバムには後にFIFTH ANGELやIMPELLITTERI等で活躍するケン・マーリー<ds>が在籍していたSTRIKE、後にFASTER PUSSYCATで活躍するタイム・ダウン<vo>が在籍していたBONDAGE BOYS(タイムはここではヴァウン・ハマー名義)が参加している。

そしてもう一枚はUSメタルの登竜門として知られていた「METAL MASSACRE」シリーズの5作目に“The Brave”で参加している。プレ・スラッシュ・メタル的な疾走系の曲で、先の“Deathwish”に比べるとデイビットの歌唱法も楽曲の雰囲気も1stアルバムの路線に近い感じとなっている。個人的な憶測だが、もしかしたら1stアルバムに収録されなかったボツ曲なのかとも思う。他にはOMEN、VOIVOD、OVERKILL、HELLHAMMER、FATES WARNINGといったバンドのデビュー前貴重音源が収録されている。(別府)
Northwest Metalfest(1984)

Northwest Metalfest(1984)

※“Deathwish”収録
Metal Massacre V(1984)

Metal Massacre V(1984)

※“The Brave”収録。

Metal Church(1984)

記念すべき1stアルバムでオリジナルは『GROUND ZERO RECORDS』というシアトルのインディ・レーベルの第二弾(そして恐らくこのレーベルの最後の作品)としてリリースされていた。リリース当時はスラッシュ・メタル一派にくくられていた面もあったが、スラッシュ・メタル寄りの疾走曲はインスト曲の“Merciless Onslaught”、“(My Favorite) Nightmare”、“Battalions”の3曲といったところ。アルバムを通して聴くとダークな香りをまといながら湿り気たっぷりのツイン・ギターを軸にドラマチックに展開していくパワー/正統派メタルと言えるだろう。ドロっとした邪悪な雰囲気タップリな“Beyond the Black ”、ヘヴィで後半に向け盛り上がっていく“Metal Church”、物悲しいイントロから展開してデイビット・ウェインがしっとりと歌い上げる“Gods Of Wrath”、ストレートな“Hitman”とデビュー作ながらクオリティの高い曲が並んでいる。ラストはDEEP PURPLEの名曲“Highway Star”でザクザクなリフでメタル度をアップして料理している。オリジナルのヨーロッパ流通盤レコード(STEAMHAMMER盤)にはボーナス曲として“Big Guns”が追加されていた。(別府)
Metal Church(1984)

Metal Church(1984)

◆収録曲
01. Beyond the Black
02. Metal Church
03. Merciless Onslaught (instrumental)
04. Gods of Wrath
05. Hitman
06. In the Blood
07. (My Favorite) Nightmare
08. Battalions
09. Highway Star

The Dark(1986)

エレクトラからのメジャー・デビュー作ということもあり、前作に比べてメジャー感のあるサウンドに進化。全編にわたってMETAL CHURCH流のパワフルなメタルで貫かれており、ブレなどは一切見せていない。“Psycho”や“Western Alliance”といったスラッシーな楽曲は、デイビット・ウェインの歌声と非常に相性が良いと感じる。本作はリリースの9日前に亡くなったMETALLICAのベーシスト、クリフ・バートンに捧げられた。彼らはMETALLICAの『Damage、Inc.』ツアーでANTHRAXと共にオープニングアクトを務めている。その他にもKING DIAMOND、CERTIC FROST、TESTAMENT、OVERKILLと共に精力的にギグを重ね、バンド初のミュージック・ビデオ“Watch the Children Pray”はMTVで頻繁にオンエアされた。結果、ビルボード200のアルバムチャートでは最高92位にランクイン。“Ton of Bricks”は、チャーリーシーン主演のカーアクション映画『ノーマンズ・ランド』でも使用されている。ちなみにこの作品、日本ではDVD化されておらず、当時VHSのみ発売された。アルバムのプロデュースはマーク・ドッドソン。彼はこの作品がきっかけとなり、ANTHRAXの1988年作『State of Euphoria』のプロデュースを担当、その後もSUICIDAL TENDENCIESやTHE ALMIGHTYの作品などを手掛け、売れっ子となった。(倉田)
The Dark(1986)

The Dark(1986)

◆収録曲
01. Ton of Bricks
02. Start the Fire
03. Method to Your Madness
04. Watch the Children Pray
05. Over My Dead Body
06. The Dark
07. Psycho
08. Line of Death
09. Burial at Sea
10. Western Alliance

Blessing in Disguise(1989)

エレクトラ最後のリリースとなった3作目。デイビット・ウェインはREVERENDを結成するため脱退し、新ボーカリストに元HERETICのマイク・ハウが加入した。ちなみに、HERETICのアルバム『Breaking Point』はカート・ヴァンダーフーフがプロデュースしている。カートもこのアルバムからバンドを離れ、後任ギタリストにカーク・ハメットのギターテックを担当していたジョン・マーシャルが加入している。彼は後に、1992年のMETALLICAとGUNS N' ROSESのスタジアム・ツアーで、負傷したジェームズ・ヘットフィールドの代わりにリズムギターを担当することになる。プロデュースはPANTERAの1990年作『Cowboys from Hell 』以降のアルバムやSOUNDGARDEN、LIMP BIZKIT等々、数々のヒット作を手がけることになるテリー・デイトが担当。今回もMETAL CHURCHの作品がきっかけとなり、売れっ子プロデューサーが生まれたことは興味深い。ビルボードのアルバムチャートでは最高75位を記録。
カートはバンドを離れたが、ソングライターとして作詞作曲のプロセスに深く関わっており、全9曲のうち7曲にクレジットされ、一部の楽曲ではギターも弾いている。ミッド・テンポでひたすら力強く突き進む“Fake Healer”、圧倒的な破壊力と美しさを兼ね備えた大作“Anthem to the Estranged”や“Badlands”が印象的で、とくにこの3曲の人気が高い。一聴すると地味に聞こえるかも知れないが、上記以外の楽曲もレベルが高く、全体に漂う緊迫感によって一気に聴けてしまう。マイクの歌唱がバンドに与えた効果は大きかったのだろう。男臭くも上品で、重厚なヘヴィ・メタル作品。個人的には80年代最高のメタル・アルバムの一枚に挙げたい。2013年にリマスター盤がタワレコ限定でリリースされているが、そろそろデラックス・エディションのようなものがリリースされてもいい頃だと思う。(倉田)
Blessing in Disguise(1989)

Blessing in Disguise(1989)

01. Fake Healer
02. Rest in Pieces (April 15, 1912)
03. Of Unsound Mind
04. Anthem to the Estranged
05. Badlands
06. The Spell Can't Be Broken
07. It's a Secret
08. Cannot Tell a Lie
09. The Powers That Be

The Human Factor(1991)

EPIC SONYに移籍してリリースされた4thアルバム。ザクザクとしたメタリックなリフでグイグイと押していく楽曲がズラリと並び、前作で盛り込んだドラマ性をより高めた感じもある。初期のマイナー色のあるダークさが好きというファンは離れていったかもしれないが、これだけ完成度の高い楽曲がズラリと並び獲得したファンの方が遥かに多かったであろう。キャッチーさのあるメロディとザクザクのリフが印象的な“The Human Factor”、ミュージック・ビデオにもなりノリの良い“Date with Poverty”、同じくミュージック・ビデオになりマイク・ハウの魅力を最大限に引き出しているバラード調の“In Harm's Way”、スラッシーな疾走感がたまらなくカッコいい“Free From Reality”といったところが特に人気が高いだろう。このアルバムを最高傑作に上げるファンも多いがそれも納得の充実度だ。このアルバムをリリース後にJUDAS PRIEST、ALICE COOPER、MOTÖRHEAD、DANGEROUS TOYSと『OPERATION ROCK 'N' ROLL TOUR』を行い、METALLICAのオープニング・アクトとしてツアーに参加したが現状を打破するまでには至らなかった。結果、これだけ素晴らしい作品をリリースしながらもEPIC SONYからはこの1作をリリースしたのみでドロップしてしまう。ちなみにこのアルバムリリース時に初来日公演を行っている。(別府)
The Human Factor(1991)

The Human Factor(1991)

◆収録曲
01. Human Factor
02. Date with Poverty
03. The Final Word
04. In Mourning
05. In Harm's Way
06. In Due Time
07. Agent Green
08. Flee from Reality
09. Betrayed
10. The Fight Song

Hanging in the Balance(1993)

EPIC SONYからドロップして海外では『RISING SUN PRODUCTIONS』というドイツのマイナー・レーベルからリリースされた5thアルバム。前作の路線を踏襲しつつ曲調をバラエティ豊かに広げていった印象で、メタリックな質感よりもメロディを強調しているようにも思える。『BLESSING IN DISGUISE』に収録の名曲“Badlands”を彷彿させる哀愁のメロディと共に盛り上がっていく“Losers in the Game”はなかなかの名曲だと思う。METAL CHURCHらしいメタリックな疾走感のある“No Friend of Mine”、広島に落とされた原子爆弾の悲劇を歌った“Little Boy”といった曲があるが、マイク・ハウ加入後の前2作に比べるとテンションが明らかに落ちた感じもある。バラエティ豊かになったとしてもMETAL CHURCHのアイデンティティはしっかりとあると思うので、何とももどかしい感じだ。1994年に2度目の来日公演を行うが、グランジ・ムーブメント吹き荒れる中でMETAL CHURCHの様な正統派メタル・バンドは浮上するチャンスを掴めずに結局解散の道を選ぶこととなってしまう。(別府)
Hanging in the Balance(1993)

Hanging in the Balance(1993)

◆収録曲
01. Gods of Second Chance
02. Losers in the Game
3. Hypnotized
4. No Friend of Mine
05. Waiting for a Savior
06. Conductor
07. Little Boy
08. Down to the River
09. End of the Age
10. Lovers and Madmen
11. A Subtle War

Masterpeace(1999)

デイビット・ウェイン<vo>とカート・ヴァンダーフーフ<g>が復帰。そこにデューク・エリクソン<b>にカーク・アーリントン<ds>と、ほぼ2ndアルバム期のラインナップが揃った。アートワークには1stのギブソン・エクスプローラーが再び登場しているのも嬉しい。1998年のライブアルバム『Live』制作中に再結成話が持ち上がり、当初はクライグ・ウェルズ<g>も名を連ねていたが、家庭の事情で離脱することに。その代わりにジョン・マーシャル<g>が戻って来たのだから、メンバー的には何の文句もないだろう。ところが、ミラクルは起こらなかった。METAL CHURCHらしさ、彼らならではのパワーメタルは感じられるのだが、どれもいまひとつ盛り上がりきれない曲ばかりが並んでいる。10曲目はAEROSMITHのカバーで、これも悪くないし、基本的に彼らのアルバムに駄作はないと思っているのだが、あまり聴くことのない作品である。原因はボーカルにあり、どの曲も歌いきれていない感じがしてしまう。非常に残念である。彼らはこの年の『Wacken Open Air』メインステージに出演している。(倉田)
Masterpeace(1999)

Masterpeace(1999)

01. Sleeps with Thunder
02. Falldown
03. Into Dust
04. Kiss for the Dead
05. Lb. of Cure
06. Faster Than Life
07. Masterpeace
08. All Your Sorrows
09. They Signed in Blood
10. Toys in the Attic
11. Sand Kings

The Weight of the World(2004)

カート・ヴァンダーフーフ<g>とカーク・アーリントン<ds>以外のメンバーを一新、新ヴォーカリストに元ROTTWEILLERのロニー・マンロー、そしてMALICEのジェイ・レイノルズ<g>、スティーブ・アンガー<b>を加え再始動した。当初は全然違うバンドになってしまったと感じたのだが、これはこれで悪くない。カートの作曲センスも健在であり、そこに曲作りに参加出来る優秀なロニーが加わった。全体にアイアン・メイデン感が漂っているものの、独特の叙情性によりMETAL CHURCHらしさは一応保たれている。後半に収録されている“Wings Of Tomorrow”“Time Will Tell”はなかなかの良曲だと思う。ロニーの歌唱も前作におけるデイヴィッド・ウェインよりはるかに良い。しかし我々が求めているのは、もっとMETAL CHURCH成分の濃い目なやつである。何かが物足りない。キツい言い方をすれば、METAL CHURCHの名前で出さなくてもよかった作品ということになるのだが、そこまで言いたくない気持ちもある。初期からのファンは複雑な感情がクロスしたはずだ。(倉田)
The Weight of the World

The Weight of the World

◆収録曲
01. Leave Them Behind
02. Weight of the World
03. Hero's Soul
04. Madman's Overture
05. Sunless Sky
06. Cradle to Grave
07. Wings of Tomorrow
08. Time Will Tell
09. Bomb to Drop
10. Blood Money

A Light in the Dark(2006)

唯一のオリジナル・メンバーとも言えるカーク・アーリントン<ds>が脱退、初期からのメンバーは一時期脱退していた時期のあるカート・ヴァンダーフーフ<g>のみという編成でリリースされた8thアルバム。前作より加入のロニー・マンロー<vo>がどちらかと言えばデイビット・ウェインに似ているということもあってか、全体的に地味ながらも初期2作に似たアグレッションで畳みかける作品となっている。中でもオープニングを飾る“A Light in the Dark”はズクズクしたヘヴィネスのある曲で、特に初期のMETAL CHURCH色を強く出している曲と言えるかもしれない。IRON MAIDEN色が強くミュージック・ビデオにもなったスピーディーな“Mirror of Lies”もなかなかの佳曲である。ミドル・テンポな大作“Temples of the Sea”も悪くないが、前半に比べると後半アルバムのテンションが少し落ちる印象を受ける。ラストにボーナス・トラック的に収録されている“Watch the Children Pray 2006 ”は彼らの2ndアルバム『The Dark』に収録されている人気曲のセルフ・カヴァーで、2005年に亡くなったデイビット・ウェインに捧げられている。地味目と厳しめなことを書いたが、METAL CHURCH節の感じられる良質な正統派ヘヴィ・メタル作品と言えるだろう。(別府)
A Light in the Dark

A Light in the Dark

◆収録曲
01. A Light in the Dark
02. Beyond All Reason
03. Mirror of Lies
04. Disappear
05. The Believer
06. Temples of the Sea
07. Pill for the Kill
08. Son of the Son
09. More Than Your Master
10. Blinded by Life
11. Watch the Children Pray 2006 (bonus track)

This Present Wasteland(2008)

ジェイ・レイノルズ<g>が脱退、後任に元ROTTWEILLERのリック・ヴァン・ザントが加入している。ROTTWEILLERということは、ロニー・マンロー<vo>の元同僚である。やや停滞気味だったカート・ヴァンダーフーフ<g>の曲作りが前作から復活の兆しを見せ始めており、さらにロニーも加入3作目ということですっかりバンドに馴染んできた。“The Company of Sorrow”、“ Mass Hysteria”といった独特のリフによる疾走チューンにMETAL CHURCHらしさが戻った感があるし、『Blessing in Disguise』を彷彿させるミッド・ヘヴィ・チューン“Deeds of a Dead Soul”もなかなかの良曲。“The Perfect Crime”、“Monster”あたりの変わった展開の楽曲もこの編成でのMETAL CHURCHによる独自性を感じる。ロニーはブルース・ディッキンソン的歌唱をする人なので、どうしてもメイデンっぽさを感じてしまう部分があるのは仕方ないのだが。このアルバムリリース後、ツアーを行うもカートの健康上の理由により中止。翌年7月、バンドは再び解散する。(倉田)
This Present Wasteland

This Present Wasteland

◆収録曲
01. The Company of Sorrow
02. The Perfect Crime
03. Deeds of a Dead Soul
04. Meet Your Maker
05. Monster
06. Crawling to Extinction
07. A War Never Won
08. Mass Hysteria
09. Breathe Again
10. Congregation

Generation Nothing(2013)

前作『This Present Wasteland』リリース後の2009年に再解散したMETAL CHURCHが2012年に再び復活し翌年にリリースした10thアルバム。メンバーは前作リリース時と同じ編成となっている。“Bulletproof”、“Dead City”、“Generation Nothing”と頭3曲を疾走系の曲で固めていて、攻めの姿勢も感じさせるし、曲自体も初期のMETAL CHURCHを匂わせるものが多い。静かなイントロから徐々に盛り上がり陰と陽が入り混じる“Suiciety”、ヘヴィなダークネスで聴かせる“Hits Keep Comin'”と後半はミドル・テンポで聴かせる曲が多くそこで賛否が分かれるとは思う。しかし全体的に楽曲の質は高く、ソングライターであるカート・ヴァンダーフーフの魅力がいかんなく発揮されている。個人的にはロニー・マンロー在籍時のアルバムでは一番の内容の作品だと思う。日本盤もリリースされ、ボーナス・トラックとして“Remain Silent”が追加収録されている。(別府)
Generation Nothing

Generation Nothing

◆収録曲
01. Bulletproof
02. Dead City
03. Generation Nothing
04. Noises in the Wall
05. Jump the Gun
06. Suiciety
07. Scream
08. Hits Keep Comin'
09. Close to the Bone
10. The Media Horse
11. Remain Silent (Japan bonus track)

XI(2016)

マイク・ハウ<vo>復活の報せは多くのファンを歓喜させた。なんと約20年ぶりであのことであった。カート・ヴァンダーフーフ<g>の決断は結果として吉と出た。驚くべきことに、長い間音楽シーンを退いていたにもかかわらず、マイクの声はまったく衰えていなかったのである。カートが放つリフに彼の歌が乗ると、完全にMETAL CHURCHとなり、奇跡は再び起きたのだ。本作がビルボード200において、バンドのキャリアハイとなる57位を記録した。その事実がすべてを物語っているのではないか。ベストトラックはキャッチーな“No Tomorrow”か、7分に及ぶ劇的な大作“Signal Path”か。しかしこの年、LOUD PARK16にやって来る予定だったが2年連続でキャンセル。マイクの歌うメタルチューン、その素晴らしさを噛みしめながら聴き、来日公演に備えようではないか。(倉田)
XI

XI

◆収録曲
01. Reset
02. Killing Your Time
03. No Tomorrow
04. Signal Path
05. Sky Falls In
06. Needle and Suture
07. Shadow
08. Blow Your Mind
09. Soul Eating Machine
10. It Waits
11. Suffer Fools

Damned If You Do(2018)

マイク・ハウ<vo>が復活しての2作目で目下のところMETAL CHURCHの最新作となる12thアルバム。METAL CHURCH脱退後は音楽業界から足を洗っていたマイクは見た目がすっかり普通のおじさんとなってしまったが、声は衰えを感じさせない。東洋的なヴォーカリゼーションからメタリックに攻め立てる“Damned If You Do”からMETAL CHURCH節全開で、聴けば聴くほど旨味を感じさせるスルメ的アルバムとなっている。『The Human Factor』の後にこのアルバムがリリースされていたら、その後の彼らの運命も変わったのではないかと思わせる良作だ。METAL CHURCHらしさ全開で疾走する“By The Numbers”はなかなかの佳曲で、マイクが自虐的にサラリーマンを演じているミュージック・ビデオは必見だ。日本盤は二枚組のデラックス盤もリリースされていて、日本未発売に終わった2017年リリースの『CLASSIC LIVE』が丸々2枚目に収録、さらに2015年にデジタル配信されていた『Blessing in Disguise』収録の名曲“Badlands”のセルフ・カヴァーが追加されている。(別府)
Damned If You Do(2018)

Damned If You Do(2018)

01. Damned If You Do
02. The Black Things
03. By the Numbers
04. Revolution Underway
05. Guillotine
06. Rot Away
07. Into the Fold
08. Monkey Finger
09. Out of Balance
10. The War Electric

ライブ作品について

METAL CHURCHのライブ盤であるがかなりの数がリリースされているブートレグを除けば3作品となっている。まずは1998年にリリースされたそのものズバリな『LIVE』で、1986年のテキサス州ダラスでのショーを真空パックしている。初期2作からのベスト選曲と言っても過言でない位に美味しい曲を全て収録していて、パフォーマンスのテンションの高さも素晴らしくスタジオ録音に比べて体感速度も2倍増しとなっている。デイビット・ウェインのヴォーカルも素晴らしく、“Gods of Wrath”と“Watch the Children Pray”でのパフォーマンスは圧巻以外の言葉が見つからない。後から被せたと思われる観客の声援が少し余計な感じもするが、それを除けば初期のMETAL CHURCHが当時のUSメタル・マニアの間で神格化されていたのも納得のライブ盤となっている。同じく1998年にリリースされた「LIVE IN JAPAN」は1995年の日本公演の音源を収録とアナウンスされているが、実際は1994年の2度目の来日公演の模様を収録している。ブートレグ並みの音質で、所属していたマネージメントがバンドの許可なくリリースした作品となっている。リリース当時、音楽業界から引退していたマイク・ハウがファンに「買うな!」と警告したことでも悪名高いライブ盤でもある。唯一の救いはバンドのパフォーマンスは悪くないという点と、リリース当時はマイク・ハウ在籍時の貴重なライブ音源だったということだろう。結局日本でのリリースのみに留まった。2017年にリリースされた「CLASSIC LIVE」は2016年のツアーを収録したもので楽曲は1stから5thまでのアルバムに収録されていたものをセレクトしている。音質がイマイチ、そして編集がぶつ切りなのが残念だが、マイク・ハウが好きなら「LIVE IN JAPAN」よりもこちらがお勧め。ボーナス・トラックとしてQUEENSRYCHEのトッド・ラ・トゥーレを迎えての“Fake Healer”のセルフ・カヴァー曲、そしてアナログ盤には2015年にデジタル配信されていた「BLESSING IN DISGUISE」収録の名曲“Badlands”のセルフ・カヴァーが追加されている。この「CLASSIC LIVE」のアナログ・ヴァージョンがそのまま「DAMNED IF YOU DO」の日本盤デラックス・エディションの2枚目となっている。(別府)

METAL CHURCHと関係の深いHERETICとREVERENDについて

METAL CHURCH加入前にマイク・ハウが在籍していたのがロサンゼルスを拠点として活動していたHERETICというバンドで、1988年にリリースした彼らの1stアルバム「BREAKING POINT」に2代目ヴォーカリストとして参加している。HERETICはMETAL CHURCHにも通じる硬派なヘヴィ・メタルをプレイしていて、このアルバムの評価は高かったと記憶している。輸入盤店を中心に日本でも話題になっていたバンドでもあった。マイクがHERETICを去りMETAL CHURCHに加入すると、HERETICの残党2人がMETAL CHURCHを脱退したデイビット・ウェインと共にREVERENDを結成することとなった。形としてはMETAL CHURCHとHERETICでヴォーカリストを入れ替えたと言ってもおかしくないだろう。REVERENDはMETAL CHURCHやHERETICに比べるとスラッシュ・メタル色が強い音楽性となっていた。1989年に4曲入りミニ・アルバム「REVEREND」でデビュー、1990年に1stアルバム「WORLD WON’T MISS YOU」、1991年に2ndアルバム「PLAY GOD」、1992年にライブ・ミニ・アルバム「LIVE」とコンスタントにリリースしていたがメンバー・チェンジに苦しみ結局解散してしまった。因みに現在、HERETICもREVERENDも再結成して活動している様だ。(別府)

デイビット・ウェインのその後

初期METAL CHURCHの顔であり、今でも信奉者の多いデイビット・ウェインであるがMETAL CHURCH脱退後のREVERENDでも期待されながらも結果を残すことが出来なかった。1998年の再結成METAL CHURCHに名前を連ねて、翌1999年に「MASTERPEACE」参加するも結局これ一枚でバンドを離れてしまった。その後、初期5作のMETAL CHURCHのメンバーであったクレイグ・ウェルズ<g>と元THUNDERHEADのメンバーを加えた編成でその名義のWAYNEを始動、2001年にその名もズバリな「METAL CHURCH」をリリースしている。「MASTERPEACE」では声の衰えを指摘されてもいたデイビットだったが、このWAYNEでは初期METAL CHURCHやREVEREND時代に比べたら劣るとはいえ彼らしいヴォーカルを聴かせていて、音楽性も初期METAL CHURCHに通じるダークさを秘めた硬派なヘヴィ・メタルだったこともあって初期からのファンには好意的に受け止められていた。しかし、2005年に自動車事故により負傷してしまい、その療養中に合併症で亡くなってしまった。2005年5月10日、享年47歳だった。2005年の夏のツアー終了後には新作の制作に入ると伝えられていて、その夏のツアーや新作はDAVID WAYNE'S METAL CHURCHになると一部には伝えられていたらしい。(別府)

来日公演情報

 (14998)

メタル・チャーチ 奇跡の来日公演決定!!
<クラブチッタで1991年、1994年に続き25年振り 3度目>

マイク・ハウが全面復帰して往年のMCサウンドが完全復活!
名作「Blessing in Disguise」、「The Human Factor」からの楽曲に加え、
最新作「Damned If You Do」までを網羅してメタル・チャーチの歴史を詰め込んだ
"日本独自のスペシャル・セットリスト"でお届けする興奮の2DAYS!!



CLUB CITTA' PRESENTS
ーHard Rock RevolutionーVol.10
METAL CHURCH (メタル・チャーチ)

Damned If You Do
Special Japan Tour 2019 
ダムド・イフ・ユー・ドゥ スペシャル・ジャパン・ツアー

2019年8月24日(土)、,25日(日)
会場:CLUB CITTA'/川崎 
OPEN 17:00 / START 18:00
前売り 【オールスタンディング】 ¥8,000(税込)
*入場は整理番号順に行います *入場の際ドリンク代¥500が必要となります

※詳細はこちら。
http://clubcitta.co.jp/001/metalchurch/
 (14999)