ライターが選んだ『2019年上半期ベストアルバム』

みんなのレビュー
BURRN! ONLINEのライター3人が選んだ2019年上半期ベストアルバム各10枚をこっそり発表いたします。
いきなり言い訳するつもりではないのですが、少数精鋭でやらせていただいておりますため、ライター3名による選出となりました。そんなわけで、アレが入ってないコレが入ってない等々ご意見多々あるでしょうが、ひとつ多目に見てくださいませ。近い将来、読者の皆様も簡単に参加できるようなサイトの仕様も考えています。ちなみに年末にも「年間ベストアルバム」を発表しますのでお楽しみに。

選考の基準は、2019年1月1日から6月30日までにリリースされた作品で、ミニ・アルバムやEPを選んでも可とし、再発盤やライヴ・アルバム、ベスト・アルバム、映像作品は除外させていただきました。

BURRN!ONLINE編集部より。



 (14164)

別府 “VEPPY” 伸朗 Nobuaki Beppu

01. TANITH『In Another Time』
02. QUEENSRYCHE『The Verdict』
03. FATIMA HILL『Passes』
04. RIOT CITY『Burn The Night』
05. GREENMACHiNE「Mountains Of Madness』
06. 人間椅子『新青年』
07. NoLA『Santa Muerte』
08.  ASOMVEL「World Shaker』
09. FOREVER『Forever』
10. TRAVELER『Traveller』
TANITH / In Another Time

TANITH / In Another Time

◆収録曲
01. Citadel (Galantia Pt. 1)
02. Book of Changes
03. Wing of the Owl (Galantia Pt. 3)
04. Cassini’s Deadly Plunge
05. Under the Stars
06. Mountain
07. Eleven Years
08. Dionysus
09. Under the Stars (Reprise)

Tanith "In Another Time" (FULL ALBUM)

コメント
あまり、ベスト10とかランクキングを気にせずに10枚選んだとうのが正直なところです。気分によってランキングはコロコロと変わるかもしれないし別のアルバムが入るかなとも思いますが、上半期パッと思い浮かんだところを書いてみます。

1位に選んだのはTANITH。自主制作でリリースされたシングルの時からベタ惚れしているのもあるが、このデビュー・アルバムでも私の期待を裏切るどころか予想を超えるアルバムを作ってくれたのが嬉しかった。WISHBONE ASHを想起させる泣き泣きのツイン・リード・ギター、70年代のハードロックやブギーのエキスのエキスをたっぷりと含んだサウンドで隠し味に英国フォーク・ミュージック、男女ヴォーカルの絡み、どれも絶品で聴けば聴く程旨味が増してくる。アメリカのバンドであるがイギリスの香りタップリなのは、SATANのラス・ティピンズが在籍していているのが関係しているからもしれない。最近VISIGOTHを筆頭に良質な正統派ヘヴィメタル・バンドを発掘してリリースしているMETAL BLADEからというのもポイントだ。

2位はQUEENSRYCHE、ヴォーカルのトッド・ラ・トゥーレが加入してから3作目となるこのアルバム。そのトッドの伸びやかで表現力豊かなヴォーカルの魅力が存分に発揮されたアルバムと言えると思う。今は亡きミッドナイトの後任としてCRIMSON GLORYでの彼のパフォーマンスを見た時からトッドのヴォーカルにKOされていたので、QUEENSRYCHEでの彼の活躍に期待していたのだが、ここでまた自らのレベルをグイっと上げたと思わせたアルバムは嬉しかった。楽曲も一時の迷いを吹っ切った様な感じで、メリハリの効いたドラマチックな楽曲は以前の輝きを取り戻しつつあると思う。こんな素晴らしいアルバムを作ったのだから、是非来日公演を行って欲しいところだ。

3位は北海道のミスティックな香りタップリなFATIMA HILLのこの作品。バンド体制からアンジュ<g>とユウコ<vo>の二人体制となりリリースされたアコースティック作品。リレコで、ミニ・アルバム、しかもライブ会場のみの作品ということでセレクトするかかなり迷ったが、上半期一番聴いたのはこの作品という位ハマっていたのでランクイン。アコースティックになったことでシンプルになったが、それによって抒情性やドラマ性がグッと強調された感じで容赦なく感情を鷲掴みしてくる。“Aino-Uta”ではカルメン・マキ&OZをほんのり香らせ、ユウコの新たな一面を引き出したを思わせるし名曲“Oriel Wind”は絶品以外の言葉が見つからず、先日行われたライブでは不覚にもボロボロと泣いてしまった。ゲスト・キーボードにBLINDMANの松井が参加している。ライブ会場でしかゲット出来ないのが本当に残念な素晴らしい作品だ。

4位はカナダの新人バンドRIOT CITYのデビュー・アルバム。デモ時代ではアンダーグラウンドの香りタップリでマニアの間で話題になっていたバンドだったが、この作品では洗練されヘヴィ・メタルの良心がタップリ詰まった最高の作品となっている。少々暑苦しいところもあるが勢いに溢れ「カッコいいへヴぃ・メタルをプレイするんだ!」という思いがギュウギュウに詰まっている。個人的にだがENFORCERがデビューした時を思わせた。同郷の大先輩バンド、TRIUMPHを思わせるアートワークも悪くない。

5位は金沢のヘヴィ・ロック・モンスター、GREENMACHiNEの15年振りとなる4枚目のフル・アルバム。ハードコア、ヘヴィ・メタル、ロックをドロドロに溶かし込んで凝縮したグルーブに巻き込まれると自然に体が動いてしまうし、疾走系ナンバーでは己の中にある暴力性を開放させられるような錯覚にも陥ってしまう。余韻を引きずらないでスパッと切れ味鋭く終わる楽曲が多いのも潔く、個人的なポイントも高いところだ。ヘヴィなサウンドだが、ドゥーム・ロックやストーナー・ロックとも噛みしめる程にジワジワとテイストの違いを感じるところが、彼らの掲げる「ハードコア・ロック」なのだと思わせる。
6位は人間椅子の30周年を祝うこのアルバム。ここにきて和嶋の表現力がグッと増したのではと思わせ、聴いているとグイグイと歌詞の世界に引き込まれ、日本語ならではの美しき響きと内包する毒気にやられてしまう。日本語で歌うことの美学を更に追及した感じもある。遠くからサラっと流せばヘヴィなハードロックと思わせるかもしれないが、フォーカスしていけばサウンドが更に進化と深化をしているのも分かると思うし、実に緻密で繊細なサウンドであることにも震える。ラストを締めくくる“無情のスキャット”の凄みに震えて欲しい。人間椅子30周年記念完全読本である「椅子の中から」を読みながら訊くことをお勧めする。

7位は東京を拠点に精力的に活動しているNoLAのこの作品。過去にも作品をリリースしていたのでそんなイメージはなかったが、フルレンスでは1stとなる。ハードコアやメタルのエクストリームな部分を研ぎ澄ませ、砂埃を巻き上げる様なヘヴィネスを溶かし込んだ粗暴な暴力的な音ながら、その表皮を切り取り内面に入っていくと実に緻密で繊細なサウンドにもなっている。どこかKING CRIMSONを思わせる部分もあり、崇高さと狂気がグルグルと渦を巻いている様でもある。

8位は昨年「JAPANESE ASSAULT FESTIVAL」にて日本の土を踏んだASOMVELの3rdアルバム。MOTORHEADタイプの、と言うかまんまMOTORHEADなんだけど、その徹底的な追及は多くのフォロワーが束になってかかっていっても敵わない程。MOTORHEADサウンドの表皮をさらりとなぞっただけのフォロワーではなく、その真髄まで入り込んでいるので嫌味がない。余談だが、こんなにMOTORHEADにサウンドはそっくりなのに、メンバーは打ち上げで酒も飲まず騒がずで、静かにコーラを飲んでいたのが印象的だった。その真面目さでMOTORHEADのサウンドを追及していった結果がこれだと思うと納得もする。

9位はENFORCERのドラマーであるヨナスの手によるプロジェクト・バンドのこの作品。甘々の極上なメロディがタップリなメロディック・ハードロック・サウンドで、彼の好きなABBAのエキスも感じさせる。ポップなキラキラ感もタップリで、80年代の産業ロックが大好きというか狙っているのもアリアリ。もう少し音質が良ければと思うが、一度耳にすれば耳に残るキャッチーさが最高に気持ちよく、気が付くと“Anywhere You've Gone”のメロディを何度もリピートしている自分がいる。

10位はカナダのTRAVELERのデビュー作。「KEEP IT TRUE」で彼らのパフォーマンスを見てKOされて、会場でこのアルバムを買ってから虜なっている。泣きのツイン・リード・ギターを軸にドラマチックに展開される疾走感溢れるパワー・メタルは日本人好みのサウンドと言えると思う。GATEKEEPERでも歌うジーンの少しハスキーながらも丁寧に歌い上げるヴォーカルも以外とサウンドにマッチしていて悪くない。ライブでの衝撃をまだアルバムに落とし込めていない部分もあるし、シケシケ感が出てしまっている部分もあるけど、やっぱり好きだなこういうサウンドは!

小笠原 和生 Kazuo Ogasawara

01. AMOGH SYMPHONY『IV.I』、『IV.II』
02. SANGRIENTO『Blood Pact』 
03. AHL SINA『Troops Of Pain』
04. KRYPTOS『Afterburner』 
05. CROWS IN THE RAIN『Sorrow For An Unfinished Dream』 
06. SKYPUNCH『Yugen』
07. PROCEUS『Maharaja』
08. DEVOUROR『Slay For Satan』 EP
09. PSYCHOPRESS『The Möbius Strip』
10. LOCAL『Local』
AMOGH SYMPHONY / IV.I

AMOGH SYMPHONY / IV.I

2019年5月7日発売
レーベル:Vmbrella

◆収録曲
01. His Master's voice (feat. Kasturi Nath Singh)
02. Lonely walk to Satyagraha
03. The Art of Shapeshifting
04. Everything is now - in the eye of the sun(feat. Writam Changkakoti)
05. Escher's reality is a low hanging fruit
06. Mai bhi Joker banunga
07. Farewell Father
コメント
正直なところ、1位以外の順序にはあまり意味はない。さらに、ここに登場しないバンドにも多くの優れた作品があったが、今回は、何かを変えてくれそうな可能性を感じる比較的新しいバンドを多めに選出してみた。

AMOGH SYMPHONY:
全13曲を2枚に分けて発表された約5年ぶりのアルバム。インドのVishal J.Singhが開始した超絶テクニカル・メタルは多国籍なメンバーを揃え、時と共に多様化し、もはやジャンル分け不能に。メタル?ジャズ?プログレ?ワールド?アヴァンギャルド?そう特定しようとした時にはすでにそこにはいない。不確定性原理のような芸術。いや、将来的には芸術の域すら超えてスピリチュアルな宇宙の波動となるかも。彼らは次元が違う。

SANGRIENTO:
血と魔法が支配するポスト・アポカリプス/スチームパンクなSF物語を作り上げ、漫画とアルバムをセットにした壮大なコンセプト作品を発表したシンガポールのシンフォニック・メタル。オペラティックな女性ヴォーカルとキャッチーなメロディ、交錯する複雑な心情と人間模様が堪能できる意欲作。

AHL SINA:
エジプト出身のメンバーを中心とした多国籍オリエンタル・フォーク・メタル。偽りの説教者が生み出す偏見や差別、人類がいかにして地球創生時に持っていた純粋性と調和を乱し汚染してきたのかを平和への願いを込めて告発。300年前のエジプト音楽、アラブの笛やパーカッション、そこに西洋的ストリングスを平和的に交えてドラマティックに展開。オリエンタル・メタル界の新星。

KRYPTOS:
引き続きドイツのAFM Recordsからの発表。アルバムを出すたびに質も知名度も上がって今やインドを代表するピュア・ヘヴィ・メタル・バンドとして世界に誇る存在。極上のオールドスクール・スピリットによるヘヴィ・メタルの正解が詰まったアルバムなので、聴いているだけでヘヴィ・メタル馬鹿であることに根拠のない誇りが持ててしまう。

CROWS IN THE RAIN:
イランで最も知名度があるインスト・ポスト・ロック。毎年アルバムを発表する活動熱心なバンドだが、今作は日本への愛と憐憫の情を込め、広島で被爆後12歳で他界した佐々木禎子がテーマ。悲壮感のある雰囲気を醸し出しつつも、悲劇の象徴としてのみならず、もしも彼女の願いや夢は未だ潰えず希望の象徴になったとしたら……という想いも込められた心揺さぶる作品。

SKYPUNCH:
馴染みのないインドということで泥臭いイメージを持つかもしれないが、ERRAやNOVELISTSなどに影響を受け、アンビエント・メタルと呼ばれる彼らのサウンドは、ジェントでエレクトロでシャレオツ・ポップ・フィーリングが溢れている。ただし、歌詞は宇宙や自己の内外にある意識ををテーマにしていて『Yugen(幽玄)』というタイトルも含めて深い。偏見をぶっ飛ばす一枚。

PROCEUS:
インドネシアのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。今回はBORKNAGARやPRIMORDIALのようなエピックなメロディとコーラスを大幅に導入して非常に耳馴染みが良くなった。ヴァイキング・メタルやパワー・メタル・ファンにも訴える要素があるはず。なお、作品のテーマも彼らの地元西ジャワ州の歴史や神秘的な伝承を取り入れて個性も出している。

DEVOUROR:
シンガポールが世界に誇るケダモノ、IMPIETYのSyaithanを中心に地下のデス、ブラック・メタル系で長年活動してきた玄人集団のデビュー作。Syaithan節のリフ、野獣のような勢いに圧倒される。4月にはクアラ・ルンプールでのギグも予定していたがマレーシア教会協議会の反対でキャンセルに。

PSYCHOPRESS:
CYNICやNOCTURNUSが生み出したテクニカルさと浮遊感を引き継ぐかのような台湾のプログレッシヴ・デス・メタルのデビュー・アルバム。彼らはジャズやフュージョン、アンビエントな音楽にも影響を受けており、今度はさらに独自の雰囲気を生み出せるかも。台湾ではこの手のバンドが出てくることが少ないので応援したい。

LOCAL:
スリランカの"ポリティカル、エロティック、ヴァイオレント・ハード・ロック"を名乗るバンドの6曲入りデビュー作。メタル、ブルーズ、サイケ、スリランカの伝統音楽から影響を受けた多様性のあるサウンド。英語で歌うバンドが多い中、公用語の一つであるシンハラ語による歌が個性的。

倉田真琴 Makoto Kurata

01. RAMMSTEIN
02. 人間椅子『新青年』
03. THE WiLDHEARTS『Renaissance Men』
04. DIAMOND HEAD『The Coffin Train』
05. TANITH『In Another Time』
06. NEBULA『Holy Shit』
07. CROCODILE BAMBIE『Bloody Tree』
08. Fuki『Million Scarlets』
09. Zig Zags『They'll Never Take Us Alive』
10. DEVILMASTER『Satan Spits On Children Of Light』
ラムシュタイン / (タイトルなし)

ラムシュタイン / (タイトルなし)

2019年5月17日発売
レーベル:Universal Music
品番:UICO-9073

◆収録曲
01. DEUTSCHLAND / ドイチュラント(ドイツ) 
02. RADIO / ラディオ(ラジオ)
03. ZEIG DICH / ツァイク ディッヒ(姿を見せろ)
04. AUSLÄNDER / アウスレンダー(異邦人)
05. SEX / セックス
06. PUPPE / プッペ(操り人形)
07. WAS ICH LIEBE / ヴァス イッヒ リーベ(俺が愛するもの)
08. DIAMANT / ディアマント(ダイヤモンド)
09. WEIT WEG / ヴァイト ヴェック(遠く離れて)
10. TATTOO / タトゥー
11. HALLOMANN / ハローマン
コメント
不作と予想していたんだけど、こうして並べてみるとまったくそんなことはなかった。バラバラのようでも、1位と8位以外はオールドタイプのハードロックが並ぶ結果となった。なお、個人的にEPとミニ・アルバムは除外させていただいた。

RAMMSTEINにハマったのは自分でも意外だった。ドイツ語の響きとメロディの絶妙なブレンド加減による常習性に完全にヤラれてしまったようだ。サウンドも新しいのか古いのか正直よくわからないのだが、これがやけに新鮮に聴こえて、何度も聴いてしまった。曲のタイトルも面白くて、1曲目の“ドイチュラント”なんて萌えアニメのタイトルか思ったりした。ところで、巻き舌で歌うロックって、SEX PISTOLS以来だろうか? そんなことない気もするけれども思い出せない。あと、“巻き舌メタル”というテーマで特集記事は成立するのか等々、色んなことを考えさせてくれた作品だった。

母国語を大切にしているという点では人間椅子も同じ。ハードロックのカッコ良さと、彼らの生き様や執念が凝縮されたアルバムに、またしても感動させてもらった。常習性の高い楽曲が詰まった一枚。上半期のベスト・チューンを選ぶとするなら“無情のスキャット”を迷わず選ぶ。至福の8分41秒を無限リピートなう。

THE WiLDHEARTSの新作も充実の内容だった。アッパーでキャッチーで爽快なハードロックンロールは、このメンバーだからこそ生まれるミラクルのようなものを感じさせてくれた。ただただ嬉しく思う。来日公演も楽しみだ。

4位のDIAMOND HEADと5位のTANITHは同じNWOBHMタイプ。このタイプが好きなので上位に入れさせてもらった。英国の薫りをNYの地で撒き散らしたTANITHは特に評価したい。このバンドを世に送り出したMETAL BLADEにも感謝。ちなみにOUTRAGEのNWOBHMカバーEPも聴きまくった。

6位はNEBULA。ストーナーといっても基本はブルース・ハードロックであり、BLACK SABBATH的なバンドが根っこにあるから、リリースされればいつも無条件で聴いている。ワイルドでダーティなサウンドの質感も含めて良い作品だった。久々のリリースだったけれども大した変化はなし。そこがいい。

7位のCROCODILE BAMBIEはOUTRAGEの安井義博が、もうひとつのやりたい音楽を具現化させるべくスタートしたバンド。初のフルアルバムはユルユルと心地良い部分と激重ロックが絶妙にブレンドされた、後からジワジワ来る系のストーナーロック。安井の力を抜いた歌唱も良く、雨上がりの気候にちょうど良かったのでランクインとなった。東京でのライブ開催に期待。

FUKIは「アニソン×メタル」に明るい未来を感じている者として入れない訳にはいかなかった。バラエティに富んだ内容で、歌唱にも彩りがあり、“ベスト・オブFUKI”のようなアルバムだった。まだ若いのでなんとなく8位に収まったが、1位にしてもいいくらいの充実作。

9位と10位は若い頃に自分がよく聴いていたタイプの音楽を演っているバンドだ。80年代のハードコアや初期スラッシュ・メタルが放っていた強烈なエネルギーがこの時代に存在していることが嬉しかった。青臭くて激しく、闇雲な演奏は、今自分が中高生であったなら、確実に日々のモヤモヤを吹き飛ばしてくれたであろう。ま、今もわりとモヤモヤしてるんだけど。

BARONESSも高品質のアルバムだったが、これから聴き込む予定なのでランク外。他にもCANDLEMASSの『The Door to Doom』も良かったし、BATのミニ・アルバムもかなり好みの作品だった。結果としては充実した上半期だったと感じている。

メタルじゃない枠をひとつ設けたいんだがどうだろう。上半期いちばん聴きまくったのは、大瀧詠一さんのラジオ番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』の再放送で、去年の10月から今年の3月まで放送された分は全て録音した。喋りも選曲もすべてがオシャレな番組で、今聴いても新鮮だった。あとテレビ朝日の『フリースタイルダンジョン』。ラップバトルがたいへん楽しくて毎週観ている。呂布カルマと崇勲推し。というわけで2019後半は『ヒプノシスマイク』に期待している。