ラムシュタイン、10年ぶりの新作にしてモンスターバンドの看板に偽りなしの傑作。

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ドイツが誇る世界的モンスター・バンド、ラムシュタインの2009年『最愛なる全ての物へ』以来、通算7枚目、約10年ぶりのスタジオ作をレビュー。
ラムシュタインのアルバムがリリースされた。ドイツが誇る世界的モンスター・バンドの2009年『最愛なる全ての物へ』以来、通算7枚目のスタジオ作となる。なんと、10年ぶりの新作だ。

なぜ10年もかかったのか、その理由はよく知らない。まあ他にもやることがあったのだろう。ライヴとかソロ活動とか、家事とか。

これは話題作なので、これから初めてラムシュタインを聴く人も多いだろう。なんと10年である。小学1年生だったら義務教育も終わるし、中学二年生だったらが大学を卒業して就職してしまっているほど長い期間だ。AC/DCやMETALLICA、DEF LEPPARDといった大物バンドですら10年も間隔が開いたことなどなかったんじゃないだろうか。

日本でラムシュタインの存在がどのくらい浸透しているのかもよく知らないのだが、このバンドが知る人ぞ知るバンドのままでいいわけがないとは感じている。

ではなぜラムシュタインが大物なのか。
それはなんだろう、自分が子供の頃、TVに出演するスターにピンとこなかった感じを思い出せばいいかもしれない。いきなり、“はい、スターの登場です”と、言われても子供にはなんだかわからない。大人になれば、その人がいかに凄いのかわかってくるはずなので、気にしなくていい。

とにかく聴いてみよう。

タイトルはない。無題ということのようだ。アートワークは白地にマッチ棒が一本。その理由もよくわからない。

この、“なんだかよくわからない感じ”が、いちいちカッコ良く見えてしまうのだからロックとは面白く、奥深い。
やはりドイツ語で歌っているので、歌詞も含めて“なんだかよくわからない感じ”なのだが、楽曲は非常にわかりやすいというのが彼らの魅力だ。BABYMETALがそうであったように、歌詞などわからなくても、彼らが表現していることは、なんとなく伝わってくるのだ。

ドラマティックなイントロで始まるミドルテンポのヘヴィ・チューンである1曲目からキャッチーで、すぐに彼らの世界に引き込まれていく。
アルバム全体に貫かれている欧州的モダニズム。随所に盛り込まれたエレクトロ要素。低音ボイスで巻き舌“r”発音をあえて強調した歌唱。
彼ら独自の美学はしっかりと息づいており、そのすべてがわかりやすく、ラムシュタインらしさを放っている。

すべての楽曲が高品質だ。
ダンサブルな2曲目から、クワイアを盛り込んだ3曲目への流れは鳥肌モノのカッコ良さ。猥雑な5曲目、不気味で恐ろしい6曲目と、高品質の楽曲が畳み掛けてくる。いかにもドイツ人らしい、切なさや儚さが滲み出た8曲目はアルバム全体にいい感じのアクセントを与え、その後もアグレッシヴな曲が配置されており、最後まで飽きさせないように仕組まれている。アレンジも曲順も非常に緻密に練られているから、何度もリピートしてしまう。

まだ半年も経っていないけれども、今年のベストアルバム候補の1枚であることは間違いない。モンスターバンドの看板に偽りなしの傑作。ラムシュタインを知らない人にとっても入門編として最適である。こういう作品に出会えるからロックを聴き続けてしまうのだ。
ラムシュタイン / (タイトルなし) [スペシャル・エ...

ラムシュタイン / (タイトルなし) [スペシャル・エディション][直輸入盤仕様]

2019年5月17日発売
レーベル:Universal Music
品番:UICO-9073
価格:¥3,240 (税込)

◆収録曲
01. DEUTSCHLAND / ドイチュラント(ドイツ) 
02. RADIO / ラディオ(ラジオ)
03. ZEIG DICH / ツァイク ディッヒ(姿を見せろ)
04. AUSLÄNDER / アウスレンダー(異邦人)
05. SEX / セックス
06. PUPPE / プッペ(操り人形)
07. WAS ICH LIEBE / ヴァス イッヒ リーベ(俺が愛するもの)
08. DIAMANT / ディアマント(ダイヤモンド)
09. WEIT WEG / ヴァイト ヴェック(遠く離れて)
10. TATTOO / タトゥー
11. HALLOMANN / ハローマン

Rammstein - Deutschland (Official Video)

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