アニソン×メタルを探せ! vol.02

2019年3月8日 更新 アニソン×メタルを探せ!
アニソン×メタルを探せ! vol.02

1980年4月にリリースされたNOVELAのシングル「マジカル・アクション!!」が日本初のアニソン×ハードロックとなったが、その次は日本のハードロック・バンド、BOW WOWであった。フジテレビで1980年10月から放送開始された永井豪原作の特撮人形劇『Xボンバー』のオープニングとエンディング主題歌を担当していた。

彼らは1976年にアルバム『吼えろ!バウワウ』でデビュー。エアロスミスやKISSの初来日公演の前座も務めていることからもわかるように、実力派ハードロック・バンドとして早くから注目されていた。1982年からは英国に進出し、レディング・フェスティバルに出演、1983年にはハノイ・ロックスとUKツアーを行っている。

『Xボンバー』が放映された1980年のBOWWOWといえば、アリスの矢沢透をプロデューサーに迎えたアルバム『TELEPHONE』を9月にリリース、次に『Xボンバー』のサントラ盤『組曲Xボンバー』を同年11月21日にリリースしている。NWOBHMムーブメントを意識し、劇的にサウンドが変化した次作『HARD DOG』は1981年4月のリリースなので、ハードなサウンドを求めるリスナーにとっては、微妙な時期のBOWWOWと言ってもいいと思うのだが、これはこれで捨てがたい魅力があるし、探っていくとなかなか興味深い事実に当たる。
ソルジャー イン ザ スペース/銀河漂流

ソルジャー イン ザ スペース/銀河漂流

作詞:藤川桂介
作曲:山本恭司
編曲:バッハリボリューション
唄と演奏:BOW WOW
発売:SMSレコード
※7インチEP
組曲Xボンバー

組曲Xボンバー

※LPは1980年11月21日にSMSレコードより発売、CDは2011年1月12日にSPACE SHOWER MUSICより発売。

OPED共にアニソン的男らしさが光る楽曲。特にOPは、入っているかどうか未確認だが、カラオケで熱く歌いたくなる。正直に申し上げると、BOWWOWには他にもっと良い曲がたくさんあるのだが、彼らがアニソンを担当したというだけで貴重である。山本恭司のギターが堪能出来るアルバムの方はCD化されている。

作詞は脚本家の藤川桂介で、『ウルトラマン』などの円谷作品、『宇宙戦艦ヤマト』等々にも参加しているオタ的には超有名な人物だ。

編曲を担当したのは田崎和隆と神尾明朗による日本の電子音楽の黎明期に活動していた音楽ユニット、バッハリボリューション(BACH REVOLUTION)。筆者は『プロレス・スーパーファイターのテーマ』というアルバムに収録されている「吹けよ風、呼べよ嵐」、「チャイニーズ・カンフー」の2曲でシンセサイザーを担当していたことでその名前を強く記憶している。ちなみに、このバンドの前身はマンドレイクというプログレッシヴ・ロック・バンドで、後に長州力のテーマソング「パワーホール」を作る平沢進も在籍していたことでも知られている。
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※バッハリボリューション(BACH REVOLUTION)による「吹けよ風、呼べよ嵐」、「チャイニーズ・カンフー」収録。

プロレス繋がりでもう少し突っ込むと、木村健悟の初代テーマ曲「ビューティフル・フライト」の原曲はフジテレビ系特撮人形劇『Xボンバー』の劇中BGMである。こちらはLP『新日本プロレス・スーパーファイターのテーマ』に収録されている。
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※木村健悟のテーマ曲「ビューティフル・フライト」収録。

また、QUEENのギタリスト、ブライアン・メイの息子が本作の大ファンであり、それがきっかけとなり、Brian May+Friends名義でエディ・ヴァン・ヘイレンらと主題歌のカバー曲が収録されたミニアルバム『無敵艦隊スターフリート』を制作。原題は『Star Fleet Project』で、これがブライアン初のソロ活動となった。他の参加メンバーは、REO Speedwagonのドラマー、Alan Gratzer、Jeff BeckやRod Stewartのバンドで活躍したセッションベーシスト、Phil Chen、アリス・クーパー・バンドやQUEENのツアー参加などで知られるキーボーディスト、Fred Mandel。1曲目「Star Fleet」のバッキングヴォーカルにはロジャー・テイラーも参加。ブライアンだけに超豪華メンバーが集結しているが、BOWWOWの楽曲はカバーされていないので、マニアックなQUEENのファン、エディ・ヴァン・ヘイレン信者向けである。
無敵艦隊スターフリート(Star Fleet Proj...

無敵艦隊スターフリート(Star Fleet Project)

◆収録曲
A1 Star Fleet
A2 Let Me Out
B1 Blues Breaker

最後に紹介するのは、2010年10月から同年12月まで放送された『そらのおとしものf(フォルテ)』。このTVアニメは、エンディングテーマが毎回違った懐メロのカバーという凝った作りの作品だった。ビューティ・ペア「かけめぐる青春」や榊原郁恵「夏のお嬢さん」、少林寺木人拳主題歌「ミラクル・ガイ」等々、狙いすぎの選曲が楽しいアルバムだ。ここで「ソルジャー イン ザ スペース」が桜井智樹(保志総一朗)&守形英四郎(鈴木達央)による歌唱でカバーされている。もちろんフルコーラスなので、TVアニメバージョンとは違う。アレンジャーは不明。こちらはアルバム『そらのおとしものf“今年も”エンディング・テーマ・コレクション』に収録。各楽曲の歌詞カードがアナログEP盤のジャケット風になっていたりして、いちいち凝っていて面白かった。

それにしても『Xボンバー』を探っていくだけでここまで音楽が広がるとは思わなかった。なかなかに楽しい旅である。
そらのおとしものf“今年も”エンディング・テーマ・コレ...

そらのおとしものf“今年も”エンディング・テーマ・コレクション

※「ソルジャー イン ザ スペース」収録。歌:桜井智樹(保志総一朗)&守形英四郎(鈴木達央)