アニソン×メタルを探せ! vol.06 “京アニへの祈り。”

アニソン×メタルを探せ!
悲しくてやりきれません。
悲しみが止まらない。

数日前に京都で起きた放火事件。毎日報道されているので、ここで事の詳細は説明しないが、あまりにも突然で、理不尽な出来事に、日本全国が驚きと悲しみに溢れている。

現在、秋葉原のアトレ2階にメッセージボードと献花台が設置されている。行くとそこにはビッシリとファンの熱い想いが綴られていた。涙が溢れ出てきそうで、その場に長くいることが出来なかった。その後、すぐに友人と居酒屋に入り、ビールを飲んだ。今期スタートした新作アニメの話など、話したいことはたくさんあるのだけれども、最後まで会話が弾むことはなかった。なんだかやりきれない…皆がそんな気持ちなんだと思う。

その友人とは、6/23幕張メッセで開催された『ランティス祭り2019』3日目、約12年ぶりに5人のメンバーが集結した“SOS団”のパフォーマンスを生で目撃し大感激したばかりだった。遂にレジェンドを生で体験することが出来た感動は言葉にならなかった。“SOS団”が主人公として登場する『涼宮ハルヒの憂鬱』という京アニ制作の作品は、当時社会現象となり、現在まで繋がるオタクカルチャー隆盛の起点となった重要作である。『ハルヒ』登場以前と以降で確かに時代が変わったのだ。メタルで例えるなら1980年のIRON MAIDENか1992年のPANTERAくらいの衝撃であった。

僕は2008年頃、京アニ制作の『らき☆すた』を観て以来、アニメの世界にどっぷりとハマることになった。アニメ雑誌の編集者が友人の中にいたことも幸いし、様々な知識を短期間で吸収することが出来た。それからしばらくは奥深いアニメの世界に浸り、コミケにも行ってみたし、秋葉原の街も徘徊してみた。目に映る何もかもが新鮮だった。

そんなあの頃、杉作J太郎(漫画家/映画監督)氏とコンビニ売りの月刊エロ雑誌のモノクロページで「あのアニメキャラが可愛い」、「いや、こっちも可愛い」みたいな、くだらないけれども自分達にとっては有意義な対談をやったりもしていた。やがて僕は小説を書き始め、それは当時流行っていたライトノベルというジャンルの作品であったのだが、運良くデビューすることも出来た。結果は出せなかったけれども、それまでの活動に一切の無駄はなかった。

たったひとりの狂人によって、僕の大切な十数年の時間、愛した作品たちが、踏み躙られ、汚されてしまった気がする。何をするにも、ふとした瞬間に泣いてしまいそうになってしまう。そんな時は空を見上げるといいのだが、今宵は月も見えない。ただ犯人に向けて怒りや憎しみを募らせるなんて無駄な時間は過ごしたくない。常に前を向いて生きて行きたい。やはり悲しくて悲しくてやりきれない……。

京アニの作品によって人生を変えていただいた、人生を豊かにしてもらった人間のひとりとして、被害に遭われた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆様に、心よりお悔やみ申し上げます。そして負傷された方々の一日も早いご回復を、心よりお祈り申し上げます。
 (15081)

アニソンを聴こう。前を向くために。

『TVアニメ らき☆すた 後半エンディングテーマ集 白石みのるの男のララバイ』は、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の谷口役や、『らき☆すた』で人気者となった声優・白石稔の企画アルバム。劇中のキャラクターである“白石みのる”名義で2007年にリリースされた。ちなみに『らき☆すた』前半のエンディング集もリリースされており、これは主人公の女子高生4人がカラオケボックスで歌うというもので、たいへん楽しい内容だった。

『らき☆すた』2クール目のエンディングは、みのる役の白石稔が出演する実写が使用されており、白石による即興的鼻歌やダンスなどが披露されていた。正直グダグダな感じだったのが、そこが良かった。あの時代ならではの空気が味わえる。

収録されている“恋のミノル伝説 -完全版-”は、TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』初回放送で流れた、朝比奈みくる“恋のミクル伝説”の替え歌をメロディック・スピードメタルのトラックに乗せて歌い上げた一曲。この人は芸達者で歌もなかなか上手くて、シャウトもしっかりと決まっている。きっと声優のスキルとは別の才能も持ち合わせている人なのだろう。アレンジを担当しているのは鈴木マサキ。ギタリストであり、JAM Projectの楽曲等も担当しているから、おそらくメタル畑から出てきた人だと思う。おかしな言い方かもしれないが、ちゃんとしたメロスピになっている。

10年ほど前に埼玉の鷲宮まで神輿を見に行った。鷲宮には『らき☆すた』に登場する柊姉妹の実家、鷲宮神社があって、そこはファンの聖地となっており、祭りの季節になるとキャラが描かれた『らき☆すた』神輿が出るのだ。今も毎年、多くのファンが訪れ、痛車もたくさん集まり賑わっているはず。アニメキャラの神輿なんて、知らない人から見れば馬鹿馬鹿しく見えるだろう。しかしその馬鹿馬鹿しさの中には絶対に愛がある。感動もある。馬鹿馬鹿しい行為にはそれなりの哲学だってある。馬鹿馬鹿しいかも知れないが、そこには確実にアニオタの魂があるのだ。あの場所は気持ちのいい空間だった。

調べてみたら、今年は7月28日に神輿が出るようだ。久しぶりに行ってみようか。ただ悲しくなるだけかも知れないけれども行ってみよう。
白石みのる / TVアニメ『らき☆すた』後半エンディン...

白石みのる / TVアニメ『らき☆すた』後半エンディングテーマ集 白石みのるの男のララバイ

2007年10月10日発売
レーベル:ランティス

“恋のミノル伝説-完全版-”
作詞:白石みのる 作曲:神前暁 編曲:鈴木マサキ