謎に満ちたバンド・プロジェクトDreaming of Screamingによって進化するトラップ・メタル その素顔に迫る独占インタビュー!

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主にHIPHOPの分野で活動する創作集団、dosing。その概略は以下の通り。


ドリーミングオブスリーピング dosing(Dreaming of sleepingの略称)は東京を拠点にした日夜不眠症に悩まされているアーティスト、ミュージシャンのコレクティブである。
睡眠不足で創造性を養い、東京のライフシーンに一石を投じるクリエイター達の集団であると同時に、世界各地の最先端カルチャーを東京のライフシーンに届ける発信者。また、パーティやイベントという形態を介して新しい形のコミュニティスペースも創造している。

dosingは常に才気と気力に溢れたクリエイターを渇望している、もし我こそはというアーティスト、ミュージシャン、etc..(表現の方法は問わない)の方がいれば我々にぜひ連絡していただきたい! 私たちは世界にあなたのクリエイションを発信するために存在しているのだから。
――公式サイトより引用
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そんな彼らの新たなバンド・プロジェクトとして発足したのがDreaming of Screaming​である。
今夏に発表されたファーストEPの紹介文を読むと、ヘヴィ・ミュージックに造詣の深い者なら誰しも興味を惹かれることだろう。以下がその文面。

「HXC Metal, East coast trapからのインスピレーションを独特な解釈でトラップメタルに落とし込んでいる。
荒々しく、歪んだギターの生演奏と重たい808のベース、切り裂くようなパーカッションがトラップボーカルと融合してハードコア、パンクを彷彿させる禍々しいエネルギーを放つ」


さらに客演に現在の日本HIPHOPシーンにおける最注目人物のTohji, Emo Rapのパイオニアと称されるTYOSiNを迎えたとあって、シーンで大きな話題を呼んだ。

彼らはなぜこのようなEP制作を目論んだのか?
その背景を知るべく、インタビューを試みた。


――まず初めに、dosingとは何者なのかについて聞かせて下さい。公式サイトには「アーティスト、ミュージシャンのコレクティブ」とありますが、詳細な構成メンバーとそれぞれの役割について教えていただけますか?それとも、それについては非公開なのでしょうか?


dosing:僕たち、dosingのメンバーは芸術的意思を持つ個人の共同体で、共通のゴールへ達するためにお互いの才能を共有しています。
構成メンバーは公開されています!創設者はCalumecsと、SteffenYoshiki&Hiro tha Japの三人で、Dosingが本格的に始動し始めたのはjamieをビジュアルディレクターとして迎え入れてからです。現在の中核メンバーはCalumecs,SteffenYoshiki,Grip king Jamie,Elena Midori,DOT.KAI,Shin Holmes & Seascapes になります。
――dosingが行なっている活動とはどのようなものなのでしょう?主にパーティに重きを置いていますか?それとも音源のリリースですか?

dosing:​dosingは結成当時から、クリエイターの創作活動に焦点を当ててます。
結成当初はローカルのクリエイター達が集まり、情報交換や刺激を与え合う環境、プラットホームを育むところに重きを置いてましたので頻繁にパーティを主催していましたが、目下のところはメンバーの作品リリースを継続させることに力を注いでいます。

――クリエイティヴな人物を渇望しているとありますが、志願すればdosingに加入出来るということなのでしょうか?

dosing:もちろんです!我々は常に新しい仲間、クリエイターを大歓迎しています。ただ、署名して仲間入りの様に単純な話ではないので、もしメンバーになりたかった、まずは皆んなで遊ぶところからです!現在の中核メンバーもそれぞれが全く違うジャンルやフィールドで活躍しています!Dosingはアーティストの里親みたいな存在だと思っていただければ幸いです。
――ありがとうございます。では、Dreaming of Screamingについて伺います。このプロジェクトにはdosingのメンバー全員が参加しているのですか?

dosing:現在のDreaming of Screamingはdosingのメンバーによって構成されていて、それぞれのメンバーが全員何らかの形でこのプロジェクトに参加しています。dosingではないアーティストとのコラボにも積極的で、既に何曲か実現されてます。
――メタルやハードコアの要素が入っていますが、そうした音を組み込もうと考えたのはなぜですか?

dosing:我々は以前からXXXtentacionScarlxrdなどのトラップメタルやパンクなどに傾倒していて、彼らの音楽に様々な刺激を受けましたが、何か満ちたりてない感覚がありました。それは生楽器演奏の欠落でした。我々はそこから着想を得て、自分たちのテイストを前述した音楽に落とし込もうとしたところが始まりですね。

XXXTENTACION - MOONLIGHT (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

scarlxrd - GXLD.

――メタルやハードコア、その他のヘヴィ・ミュージックで影響を受けたアーティスト、お気に入りのアーティストがいれば教えて下さい。

dosing:
多分、Dreaming of Screaming のメンバー全員が今までの人生の何処かでメタルやハードコアに影響受けていると思うのでいろいろなバンドが挙げられるのですが、強いて言うならば、Opeth, Tool,Death,Linkin Park,Deftones,Atilla,Nine Inch Nails,At The Drive-In などでしょうか。
――そうした音楽のライブを観に行くことはありますか?

dosing:
前述の様に各メンバー、人生の何処かにおいて触れてはいるので、バンドライブを見ながら育ち上がって来たんでしょうけど、東京に拠点を移してからはエレクトロやラップに関連するライブに行く頻度が高いと思います。 
バンドライブにも沢山行きたいんですけどね!
――最初の音源となったEP「Dreaming of Screaming」には現在シーンを賑わしている2人のラッパー、TohjiとTYOSiNが参加していますね。実現に至った経緯を教えて下さい。何故彼らを選んだのでしょう?

Steffen:
TYOSiNは僕が長いことフォローしていた日本人ラッパーで、いつの日か彼と作曲したいなと思ってました。なので、彼と初めてリンクした時に気が合ったのは嬉しかったです。彼は僕のEPでも一曲仕上げてます。
Tohjisteiに紹介されたのが始まりで、曲は聴かせてもらってたんですけど、初めて会ったのはRedbull スタジオでした。そのまま自然な流れで曲を作りましたね。
――EPのアートワークは、まるで人間が叫び(Scream)を介して獣に逆行していくようですね。このアートワークは誰の手によるものですか?

Jamie:
このアートワークはみんなが共有してる感情を伝えることがポイントでした。
悲しみや、怒り、吐き出したくなる葛藤。これらの感情は時に我々をひどく傷つけます。今回のプロジェクトはこれらの感情を叫び吐き出す(screaming)絶好の機会だと思いました。
――1曲目の‟The World Ends Here”は中近東的なメロディにヘヴィなギターによるパートが交わっていきますね。この音について、具体的に何かイメージするものはありましたか?

Calum:
何か具体的なイメージというよりは、差し迫る恐怖や、不可避な争いなど、心情や、感情を音に落とし込めることに専念しました。
ヘヴィに歪んだギターと重たい808をドラムとシンクさせて、脅威を感じさせる激しさを生み出し、そこに吠える様なリードギターを足すことでさらにドラマチックさを演出しました。

Ocean: このプロダクション自体の凄まじいエネルギーと緻密さに圧倒された、俺にとって最高のバトルにおけるクライマックスみたいなものかな。
ボーカルに関しても、その部分を表現するように努めたね。
ギターのリズムに乗るのは正にボス戦って感じだったね。
――‟Reaper”は警告音のようなトラックが特徴的なトラップです。一番最後のスクリームに合わせたノイズ・ミュージック的なアプローチがヘヴィですね。

Steffen:
面白い事にReaperはDreaming of screaming が始動する事になった、きっかけの曲なんです。僕は常にヘヴィでダーク、ノイジーなジャンルの音に影響されていたのですが、それらの要素を自分の音楽に落とし込めたことが有りませんでした。このトラックでは、それらのバイブスをホラー映画から受けた影響と混ぜ合わせることで警鐘の様な雰囲気を産み出せたんじゃないかな。

Ocean: 最初の曲だったのもあって、製作過程において完全にみんなとシンクロさせるのが難しかったな。みんな、好き勝手にバースを持ち寄ってから、最終的にローなエナジーで、それぞれのパートをまとめることで何とか、典型的なバース-コーラスという形にならずに、仕上がったよ。

Dreaming of Screaming - reaper

――‟Purgatory 2.0”はsteiさんによるプロデュースの楽曲ですね。彼もDreaming of Screamingの一員なのでしょうか?楽曲制作の際何か希望するイメージは伝えましたか?

dosing:はい!このトラックはsteiのプロデュースで彼もDreaming of Screaming のメンバーです。
この曲においてはイメージの共有などはなく、Steffenとsteiが曲の雰囲気に合うようにリリックを書きました。TYOSiNにバースとフック(サビ)を書いてもらってから更にアレンジを加えて完成した曲です。
この曲はライブでの反応が良かったので最終的にOcean(DOT.KAI)も参加してVersion 2.0としてリリースしました。
――‟Killswitch”はインダストリアル・ミュージックと呼んでいい仕上がりですね。途中から入ってくるギターのリフも印象的です。サンプリング元は海外のバンドですか?

Steffen: インダストリアルなバイブスが曲中で輝いている点は僕も気に入っていて、ギターのリフはサンプリングではなく、Calumecsが弾いてます。
次回のプロジェクトではこう言ったバイブスをプッシュしようと構想してました。

Dreaming of Screaming - Killswitch

――‟Red Oct”ではまるでブラック・メタルのようなギターのトレモロ・リフが用いられています。この音を聴いた時、すぐにヒップホップとマッチすると思いましたか?私にとっては非常に革新的な試みに感じました。Blackened Rapと呼べる新しいジャンルだと思います。

Calum:
スタジオで‟Red Oct”を作り始めた時、元々は普遍的なトラップミュージックを作るつもりでした。まずはsteiが重たいビートを流し、ぼくがそのリズムに合わせてギターを弾いてました。最初はどんな音楽を作ってるのか自分でも確かじゃなかったのですが、ボーカルや他の音を重ねてく内に自然と有るべき形に仕上がっていきました。Tohjiとはこの日に初めて出会い、マイクを握り出したかと思うと、すぐにこのフックを歌い上げ、他のメンバーがバースをいれる頃には大体の形が仕上がっていました。とても楽しい製作過程でしたし、たしかに他にトラップメタルと呼ばれるジャンルの曲とは相違点があると思います。

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この記事のライター

清家 咲乃
清家 咲乃
1996年生まれ。2019年4月よりBURRN!編集部に加わる。音楽に呪われています。 Twitter:@mawatamusick https://twitter.com/mawatamusick

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